INTERVIEW

2019/04/25

ありのままの自分を表現する

株式会社カリヨン・カンパニー代表 / 音の教室『カリヨン』主宰・歌い手
平松あずささん  


音楽絵本を柱に「うたう」「あそぶ」「つくる」「えんじる」の4つのカリキュラムからなる音楽教室カリヨンを主宰。自ら歌い手としてレッスンやコンサートなどにも立ち、忙しい日々を送りながら、二人の息子さんを育てるママでもある平松あずささんにお話を伺いました。

 

歌うことが好きだった幼少期、歌うことが嫌になった高校時代

 

『小さい頃はとっても引っ込み思案。人前に出て何かをしたり発言することが大の苦手。
だけど、歌うことだけは好きで、得意で、歌うことが幸せだった。』

小学校から地元の合唱団で歌い、毎日が歌三昧の幼少期を過ごした平松さんは、自然と音楽の道に進もうと考える。
しかし、一時期歌うことが嫌になってしまったという。

音大に行くために学びに行った先で、これまでの自由な発声や歌い方すべてをやり直され、楽しく歌ってきた自分の価値観すべてが否定されてしまったように感じた。完全に自信を失い、『自分はダメなんだ。もう歌いたくない…』とさえ思い、全く歌わない数年があった。
結局、音大へ行くことも止め、玉川大学の表現教育科という学科をみつけ通うことになる。

ところが、このことがきっかけで人生の歯車がまた回り始める。

 

表現することに、下手も間違いもない

 

この学科では、歌だけでなく表現することをいろんな分野で幅広く学んだ。中には演じる授業もあり、

『突然「木になってください。」とか言われるの。当時の私は「えっ!木!?無理無理!」と思って何もできなくて(笑)。
でも、クラスには演劇をやっている人も多く、みんなが思い思いに表現する姿を見ていく中で、表現することに下手とか間違いはないんだと気付いたの。』

音程がくるってはダメ、歌い方はこうでなければいけない、という音楽の世界で自信をなくしていたのが、一気に目の前が開けた気分だった。

『歌を通して、表現することに下手とか間違いはないということを伝えたい。本当にその子がいいと思うものを自由に選択できて、楽しく人生を送れるような教室をしたい。』

そんな思いが芽生える。

 

それからは、自分がやりたい音楽教室のスタイルを求めて、さまざまな音楽教室を見学したり、音楽療法を試してみたり、斬新で面白いレッスンを行っていた大宮の教室に弟子入りし、毎日のようにレッスンプランを考えては、いかに表現を膨らませるか、表現するって何だろうと模索する日々が続く。そんな中、音楽仲間と一緒に絵本に曲をつけて歌う活動を始めたところ、大きな反響があり、絵本と歌と表現という現在のカリヨンのスタイルに繋がっていく。

そして、2000年に作曲をする友人と一緒にカリヨンをスタートさせた。

 

ただ、目の前のことにがむしゃらだった

 

カリヨン立ち上げ当初はアポなしで片っ端から連絡をして、断られても断られても、熱い思いを語り歩いた。
『不安だらけだったけど、絶対にいい!という揺るぎない自信はあった。』

 

 

カリヨン立上げ当初に自費制作したパンフレットやアイデアメモ

 

そんな折、バイト先で一緒に働いていたパートのお母さんがきっかけで、川崎市にある龍厳寺保育園の場所を借りて初めての教室を開くことが決まった。オープニングコンサートと銘打って開催をしたところ、想像以上にたくさんの人が訪れ、6組の親子さんが申込みをしてくれた。

 

『初めてカリヨンの通帳にレッスン代が振り込まれた時は、手が震えた。これから私は本当にやっていくんだと。』

 

そして、いざレッスンが開始。すると、新たな問題に直面する。

 

『歌うのと、子供に教えるのでは全然違ったの。子供は本当に正直で、嫌だとすぐどこかに行っちゃうし、先週と同じことをやると「またそれー?」とか言われちゃう。全然言うことを聞いてくれなくて、レッスン中に大泣きしたこともある(笑)』

『当時は楽器を買うお金すらなかったから、山から木を拾って来て楽器にしたり。いろいろ工夫をしながら、子供がいかに楽しめるか、集中できるか、試行錯誤を繰り返しながら、レッスンを作り上げていった。』

そんな平松さんの姿をみてか、Xmasコンサートの後、生徒のお母さんたちが大きなギフトボックスにいろんな楽器を詰めてプレゼントをしてくれたという。今でもその時の楽器はカリヨンで使われている。

 

当時は女性起業家などもおらず、そもそも自分で起業しようなんて考えてもいなかった。自分がやりたいことをどうやったら実現できるか、世の中にないなら自分で創るしかない!と手探り状態でスタート。目の前にあることをただがむしゃらにやっていく中で、子供たちと共に自分も成長し、たくさんの方からの応援が支えになって、少しずつ活動規模が大きくなり今現在に至るという。

 

先日開催された、梶が谷さくらまつりの屋上コンサートの風景

 

毎年春と秋に開催されるカリヨンのコンサート。0才から小学6年生まで全員がステージに立つ。
その他、大ホールから小さな保育園までこれまでの公演歴は400以上。生徒は毎年100名を超え、延べ人数は2000人を超えるまでに成長した。

カリヨンメソッドを全国へ

 

カリヨン15周年を迎えるにあたって、オリジナル絵本を制作。カリヨンメソッドを体感してもらうために全国ツアーも開催した。さらにカリヨンメソッドを全国へ広げるため、保育園の先生たちが取り入れられるように教則本も制作した。その結果、板橋区を皮切りに、川崎区や多摩区、今年からは渋谷区でカリヨンメソッドを取り入れてもらえることに。さらに昨年にはカリヨンメソッドを取り入れた保育園も開講。少しずつカリヨンメソッドが広がりつつある。

 

(左)ユニバーサルミュージックより発売されたオリジナルの音楽絵本
(右)カリヨンメソッドを全国へ広げるために制作された教則本と人気のオリジナル缶バッチ

 

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カリヨンのレッスンを受けた子供たちは、周りの大人たちが驚くほどに変化をしていく。
このくらいしかできないと思っているのは大人たちであって、大人たちが思っている以上に子供たちはできることがたくさんあるという。

 

『キーワードは“ワクワク”。小さい頃に想像で遊ぶことをたくさん経験することで、大人になった時、すぐにダメだと諦めるのではなく、自由に発想をして物事にチャレンジできる柔軟性が身に付くのではないかなと。子供たちにはそんな大人になって欲しいし、それが表現教育なのではないかと思う。』

 

実際にカリヨンのレッスンに参加させてもらったが、子供たちが目をキラキラさせながら楽しそうにしている姿が印象的である。カリヨンメソッドは0歳の赤ちゃんから小学生、さらにはお年寄りまでもが楽しめる内容になっている。これからどんどん全国に広がっていけば、ワクワク・キラキラした人たちが日本中に増えるのではないかと想像が膨らんだ。

 

<音の教室カリヨン>

2000年に子どものためのうたの教室として田園都市線梶が谷駅など、川崎市内で開講。今年で開講19年。
現在、レッスン生は0歳〜小学生の子どもたち100名を超える。ただ、「歌う」というだけではなく絵本の世界を体験したり、楽器を使ったり、絵を描いたり・・・ジャンルにとらわれず、自由な発想力を育て、自分らしさを発見する「カリヨンメソッド」を展開する。
2015年より「カリヨンメソッド」を全国へを掲げ、保育士研修を行っている。

http://carillon-music.jp

株式会社カリヨン・カンパニー代表 / 音の教室『カリヨン』主宰・歌い手
平松あずささん

玉川大学芸術学科表現教育卒。音の教室カリヨンを立ち上げる。
0歳からのうた教室として小学生までの子どもたちにレッスンを行なっている。
絵本に音楽をつけて読み聞かせを行い、その絵本の世界をあそぶという独自の「カリヨン メソッド」を確立。保育士研修なども開催し全国へ展開中。

2000年 音の教室カリヨンを立ち上げる。
2015年 雑誌「VERY」家族のコトバに掲載される。
2015年 株式会社カリヨン・カンパニーを設立。
2017年 ユニバーサルミュージックと共同制作でオリジナルのおんがくえほん「まこちゃんのドロップス」を全国で発売開始。(作・平松あずさ 絵・遠山 敦  音楽・丹保麻里恵)
2018年 こころワクワク保育園(高津区・(株)エヌアセット)にカリヨンメソッドを導入した保育園が開講。
同年、川崎の起業女性で構成された「まんなかフェス」を企画し、実行委員長として実施。2日で22000人を動員。2019年も開催予定。
同年、社会福祉協議会からの依頼により、川崎市の認可保育園年長対象の保育まつりにて「まこちゃんのドロップスコンサート」を実施。川崎7区(川崎区、幸区、宮前区、高津区、中原区、麻生区、多摩区)の主要大ホールにて10公演を開催。約7000人の子どもたちに演奏を行う。
2019年 川崎市(川崎区、多摩区)、板橋区に続き渋谷区からの依頼を受け保育士研修を実施予定。