INTERVIEW

2019/05/12

激動の人生を歩んで手にした今

女性専門カウンセラー・ライフワークコンサルタント
高橋ライチさん  


結婚、出産、離婚、共同生活、事実婚、婚外子出産、起業、再婚、ステップファミリーなど様々な経験をしながら、ママコミュニティを立ち上げ15年以上に渡って多くのママたちをサポートされてきた高橋ライチさんにお話を伺いました。

子育てに煮詰まり産まれた場所

23歳で第一子を出産。出産を機に会社も辞めた。

しかし、当時周りに出産をした友達もおらず、突然社会から分断されたような生活となり、どこに行っても子供中心で自分自身が尊重されない実情にショックを受ける。区がやっている無料講座に通ったり、図書館でフェミニズムや主婦論争などの本を借りては女性の現状に対して問題意識を持つも、子育て中心の生活に煮詰まり、パートナーとの関係もうまくいかず離婚を経験。

 

シングルマザーの友人とシェアハウスを立ち上げ、共同保育をしながら働く中で、自分にとって働くことの必要性を身に沁みて感じ、自分の居場所や自分の活動ができることへの充足感を取り戻すことで次第に問題意識も薄れていった。

 

その後、二度目の事実婚、第二子の出産を機に10年前の産後の煮詰まりを思い出す。

『子育て中は絶対に仲間や大人同士で話せる場所が必要だ。あの時は自分が居場所を変えて自分の活動を作ったけど、今度は自分が活動できる場をつくろう。』そんな思いから始まったのが、こぶたラボだ。

 

当時勤めていた東中野の音楽スクールの空き時間を使って、ヨガやゴスペルなど子連れで参加できる大人のための活動を日替わりで開始。毎週木曜はこぶたカフェと題してママ同士でお茶を飲みながら話ができる日を設けた。

次第に、アロマをやっているママがブースを出したり、みんなで給食を作ってお昼に食べたり、ワークショップや講座なども行うなど活動の幅が広がっていく。多い時には会員は600人以上、ミクシィのコミュニティは3000人にも及んだ。

 


(左)こぶたラボのスタッフと「給食」作り
(右)こぶたラボ・ゴスペルチームで開催した銭湯でのライブ

 

自分のための学びがいつしか周りのために

こぶたラボの活動をする傍ら、二度目の離婚を経験。
うまくいっている人といっていない人との違いは何かなどに興味を持ち、心理学やコミュニケーションを学び始める。

その中で、これはこぶたラボのみんなも知ったらプラスになると思い、興味のあるママたちにシェアをしたところ効果を実感。

こぶたラボとは別に、新たにカウンセリングを行う会社、タンジェリング・ラボを設立。子育てやパートナーシップ、親との関係などに悩むママたちのカウンセリングを本格的に始める。

 

当初は筋肉反射を用いたセラピーなども行なっていたが、“ストレスを取りました”、“良い状態になりました”といっても、何を解決したいのか本人がクリアになっていないことにはふたたび元に戻ってしまう。

学びを進める中で、自分が何に困っていてどうなったら理想なのかを“聴く”ことに注目し、目標設定のための聴き方を学びに行ったことで、聴くことの力を実感。セラピーを止め、シンプルに“聴く”ことを活動の軸に置くようになる。

 

『聴く力のある人がいれば、セラピーなどを受けなくても仲間内だけで事足りる。家族や友達、職場で互いに聴き合えたら、支え合い、仲間といることで力を増幅していくことができるなと思った。話を聴いた方も力をもらったり、刺激になったり、視野が広がる。話した方は聴いてもらえてスッキリするし、自分の話に集中して耳を傾けてもらえることで、自分に価値があるという感覚を持てる。』

 

私たちは普段、聴いているようで聴けていないことが多い。
それは他人に対してだけでなく、自分に対しても同じだ。

 

『外からの声が大き過ぎて、内から湧いてきたものじゃないものでたくさん行動し続けた結果、自分がどうしたいかがわからない。自分の選ぶことに自信が持てないし、失敗したら嫌だからと、他の人、偉い人、知識のある人のことを聞いていると、喜びも沸かなくなってくる。』

 

聴くことでそれぞれの人が自分の人生をどうしていきたいかをチューニングしていく。
高橋さんの聴く活動は、個別のカウンセリングをはじめ、講座や講演など多岐に渡る。

 


香港での講座開催(左)やPTAでの講演(右)

 

そして、東日本大震災をきっかけに始めたのが、リスニング・ママプロジェクト(略:リスママ)だ。

余震や放射能などの心配から、赤ちゃんのいるママがさらに外に出ないようになり、不安を抱えながら人に合わず子どもと密室にいる状況はよくないと、SNSで呼びかけスタート。

 

リスママでは、「聴く」の専門的なトレーニングを受けたママが、プレママから小学生の子どもを持つママの話を20分間寄り添って聴いてくれる。聴き手からジャッジされず、アドバイスされず、安心して気持ちを話せる時間。感情の発散をするには、声に出して話すのが一番効果的だ。

ママが聴いてもらう経験をすることで、ママが家族や子どもの話を聴け、聴くことが循環していくイメージだという。

 

リスニング・ママプロジェクトの紹介動画はこちら
https://youtu.be/vD2zF60QJ3o

申込は下記サイトより
https://lis-mom.jimdo.com

 

現在、養子縁組や里親家庭、社会的養護に関わる人々に携わる活動にも参加しているという高橋さん。将来的には、3人目のパートナーと一緒に暮らしながら、シングルだけど子育てをしたい人の力になったり、子育てをサポートできるようなシェアハウスを作りたいとのことだ。

ご自身もシェアハウスで第一子の子育てをして大変助けられた経験があり、第三者がいる環境での子育ては、母親にとっても子どもにとってもプラスに働くという。

 

高橋さんの住んでいたシェアハウスを取り上げたドキュメンタリー映画『沈没家族 劇場版』は現在公開中だ。
http://chinbotsu.com/

 

やりたいことは“今”やるべき!

 

最後に、子育て中のママにメッセージをいただいた。

 

『子どもが大きくなってからいくらでもできる、今が一番可愛い時期だから、と私も言われたし周りから言われるかもしれない。
だけど、自分のことも可愛い、今が一番エネルギーのある時期だと思って、やりたいことは“今”やるべき!と声を大にして言いたい。
それはわがままではないし、やりたいことを後回しにしたり、人が良いということをやっていると、自分で選べなくなくなってしまうから。』

 

人の言うことを聞いて、人に幸せにしてもらうおうとしている限り、幸せにはなれない。
ご自身もパートナーに依存して、幸せにしてもらおうと思っていたがゆえに、二度の離婚を経験する。

 

『人生のハンドルを自分で握っていれば、どこでも行けるし、自分を幸せにできる。自分を幸せにする選択を自分が責任をもってしていく。』

 

『子どもは傍らにいて、いずれ自分も自営するのだなと思って、見ている状態。自分は自分の人生を、子どもは子どもの人生を営む。
子どもの人生まで営もうとしてしまうと、過干渉な子育てになってしまう。』

 

自分が健やかでいるためには、やりたいことをやることは当然の権利だ。
結果的に、その方が周りにも感謝できるし、みんなが幸せになる。

 

紆余曲折を経ながら、やりたいことを少しずつ形にして生きてきた高橋さん。その積み重ねが、今という人生を創っている。

 

 

女性専門カウンセラー・ライフワークコンサルタント
高橋ライチさん

(株)タンジェリン・ラボ 代表取締役
ブライト・コミュニケーション研究所 代表講師・カウンセラー
話せる場・聴く力をすべてのママに リスニング・ママ プロジェクト 代表
成長を続ける女性のためのコミュニティ こぶたラボ 主宰

幼少から自身の個性と周りとの調和に生きづらさを感じて育つ。
親の事業失敗・離婚を思春期に経験し、共依存の恋愛パターン、転職、結婚、離婚、共同生活、婚外子出産、起業、再婚・ステップファミリーなどなど忙しい人生を送る中で、心理学・セラピー・コミュニケーションを学ぶ。同時進行で主宰するコミュニティにて個人セッションやセミナーを提供。女性に特化したカウンセリング実践を積む。学びと実践の集大成から「ブライト・マインド」を軸とするコミュニケーション法、問題解決法を構築。
個人セッション、セミナー、ワークショップにてブライト・リスニング、ブライト・コミュニケーション、
ブライトマインド・カウンセリングを伝えている。
また、実践的な日常の心理学の普及に努め「ココロカフェ」「お茶の間心理学ゼミ」「パートナーシップ・ゼミ」なども開催。